ラベンダーオイルとラベンダー植物について

植物名（ラテン語）：ラバンデュラ・アンギスティフォリア
植物科:シソ科（ミント科）
原産地:暖かく日当たりの良い地中海地域
生育習性:針状の葉とピンクがかった紫色の花を持つ中程度の高さの低木
使用部位:花と葉
抽出方法:花の水蒸気蒸留

ラベンダーオイルについて

淡い紫色の繊細な花と穏やかな香りを持つラベンダーは、何千年もの間大切にされてきました。ラベンダーは、治癒、洗浄、料理、美容、芳香剤として長い間使用されてきました。ラベンダー オイルは花とハーブの香りで知られ、古代の伝説では野生動物を飼いならしたとさえ言われています。エッセンシャル オイル ブレンドのアダプトゲンとして、ラベンダーは他のオイルの効果を高めるため、アロマテラピーの定番となっています。

ラベンダーオイルを使う理由

ラベンダーの花のようなハーブの香りは、全身を落ち着かせ、バランスを整える効果があります。甘く心を落ち着かせる香りで知られるラベンダーは、単独で使用されることもあれば、リラックス効果のあるエッセンシャル オイル ブレンドの主要成分として使用されることもあります。

ラベンダーの生育場所と方法

ラベンダーは香りのよい低木で、高さは 1 ～ 2 メートル (3.3 ～ 6.6 フィート) に成長します。細長い常緑の葉と、ピンクがかった紫色の花が、長い葉のない茎の先端に穂状に咲きます。花の色は「ラベンダー」という色に由来しています。

地中海原産のラベンダーは、晴れて乾燥した夏と雨の多い冬によく育ちます。フランスはラベンダー畑で有名ですが、2014 年にはブルガリアが商業生産でフランスを上回りました。その他の主要生産国には、スペイン、バルト諸国、オーストラリアなどがあります。イギリスなど地中海気候以外の地域でもラベンダーはよく育ち、歴史的にイギリスの庭園の一部となっています。ロンドンの拡張によりラベンダー産業は衰退しましたが、ノーフォークなどの地域では今でも商業的に栽培されています。

ラベンダーは世界中の庭で生育でき、一般的には USDA ゾーン 5 の気候でよく育ちます。干ばつに強く、水はけのよい土壌で最もよく育ちます。

ラベンダーの多様な用途

食用ラベンダー
ラベンダーはミント科の植物で、料理に使用できますが、すべての品種が料理に適しているわけではありません。最も一般的な品種は、甘い香りで知られるイングリッシュ ラベンダー ( Lavandula angustifolia ) と、ハーブ ド プロヴァンスのスパイス ブレンドによく含まれるプロヴァンス ラベンダーです。他の品種は、料理には味が強すぎる場合があります。

ラベンダーを使って料理をするときは、安全性と最適な風味を確保するために、料理用の品種を選ぶことが重要です。

ラベンダーエッセンシャルオイル
心を落ち着かせる効果で愛されているラベンダーのエッセンシャル オイルは、穏やかな雰囲気を演出するためにディフューザーでよく使用されます。また、洗濯サイクルや乾燥機のボールに追加して、フレッシュで香り豊かな雰囲気を演出することもできます。ラベンダーの多用途性はパーソナル ケアにも及び、髪や肌に栄養を与え、リラックスしたひとときを充実させます。

アーユルヴェーダにおけるラベンダーオイル

アーユルヴェーダでは、ラベンダーはヴァータ、ピッタ、カパの3つのドーシャのバランスをとるのに効果的であると考えられています。ラベンダーには鎮静作用と冷却作用があり、特にピッタとカパを鎮静させ、ヴァータを刺激するのに役立ちます。ラベンダーオイルはプラーナ（生命力）を高め、髪と肌に栄養を与え、神経をリラックスさせる効果もあることが知られています。シロダーラなどのアーユルヴェーダ治療では、エッセンシャルオイルを額に塗って第6チャクラを刺激するなど、よく使用されます。

ラベンダーの象徴

「ラベンダー」という名前は、ラテン語の「洗う」を意味する「 lavare 」に由来しており、入浴、洗濯、石鹸に使われてきた歴史を反映しています。ラベンダーは昔から愛と精神的なつながりの象徴とされてきました。その紫色はクラウンチャクラと関連付けられており、高次の目的と精神的な認識を表しています。歴史を通じて、ラベンダーはラブレターの香り付けや宗教儀式にも使用され、愛と精神性におけるその象徴性を強化してきました。

ラベンダーの歴史

ラベンダーの使用は 2,500 年以上にわたります。エジプト人は化粧品や防腐処理に使用し、ローマ人は洗濯から傷の手当てまであらゆる用途に使用しました。ヘブライ語の文献ではスパイクナードとして知られるラベンダーは、古代の寺院で使用されていた聖なるエッセンスの一部でした。

ラベンダーは、その治癒力から中世ヨーロッパで崇拝されていました。16 世紀、フランスの手袋職人は手袋にラベンダーの香りをつけ、1665 年の大疫病の際には病気から身を守ると信じられ、人気が急上昇しました。ビクトリア朝時代までに、ラベンダーは広く栽培され、料理から化粧品まであらゆるものに使用されました。

ラベンダーオイルの科学

1910 年、フランスの化学者ルネ・モーリス・ガットフォセは、手に負った火傷にラベンダーのエッセンシャル オイルを塗ったところ、その治癒効果を発見しました。彼の発見は、著書『アロマテラピー』にまとめられ、現代のアロマセラピーの始まりとなりました。ラベンダーの効能は、第一次世界大戦中に軍の病院で浄化作用と鎮静作用が認められ、さらに認識されました。